2024年3月3日、レクチャー/セッション形式で聴く日本の現代音楽

「現代音楽ってなんなん?」

What is contemporary music?

を開催いたしました。




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「現代音楽は難しい」
「日本の作曲家にどんな作品があるか、聴いたことがない」

このイベントを発案したころには、そんなお声を多くいただきました。

音楽は、専門家や愛好家はもちろんですが、誰にとっても共通の財産であると私たちは考えます。

「聴いたことがないから、よく分からないと思う」

という理由だけで通り過ぎてしまうのは、もったいないことだと思ったのです。

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「現代音楽ってなんなん?」は、京都市 連携・協働型文化芸術支援制度「Arts Aid KYOTO」の助成を得て開催されました。
また、開催と今後の活動に際して、作曲家・京都市立芸術大学准教授の中村典子氏よりご支援をいただきました。
深くお礼申し上げます。

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会場のアートスペース二条城前アルバ


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会場には、当日演奏する6作品の楽譜を全て展示しました


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友情出演いただいたマリンバ奏者の谷口かんな氏


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解説と司会は音楽学者・竹内直氏


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演奏の合間には、彫刻家・松井紫朗氏からたくさんの「なんなん?」が縦横無尽に投げかけられました。


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フリーディスカッションタイム。

「現代音楽の最新情報を手に入れるには?」

「今日の作品をエレキヴァイオリンで聴いてみたいのですが、そういった機会は?」

など、バラエティ豊かな質問や感想を、気になる出演者に投げていただきました。


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会場で配布したアンケートや、後日SNSでも多くの感想をいただきました。


今回田久保さんが演奏された「提琴と洋琴のための奏鳴曲 第三番」の作曲家、尾崎宗吉さんです!
正直お名前は存じ上げませんでしたが、ドイツ音楽に学ばれてムソルグスキーの曲に影響を受けられたということで、それらを彷彿させるようなモダンで情熱的で力強い曲と田久保さんの名演奏にため息が出るほど感動しました!! 戦地の中国で、わずか30歳の若さで病死されてご自身の「初演」をご自身で鑑賞することができなかったとのことで、胸が痛みました。あの時代の方々は本当に「もう一度生まれ変わって活躍して頂きたい」とつくづく思います。
永遠に引き継がれる作品は、演奏会の度に天国から遊びに来ておられるのではないか・・・?とふと感じました。
ピアニスト、クラリネット奏者、作曲家の伊藤慶佑さんが作曲された「夢明草Ⅱ ヴァイオリンとマリンバ、クラリネットとピアノのために」は、拍子に囚われないもっと自由な風や光のように流れる音楽を求めて作られた伊藤さんの作品は、心が自由に解放されるような爽快感と不思議感がありました。また、掴みどころのない、とも感じられる曲想は、「夢と現実のはざまで、確からしいものなど何もない、受け入れ難い真理」と解説しておられます。途中遠くから聞こえてきた女性の声は、クラリネットだったのか?ピアノに映し出された光の影は田久保さんだったのか?途中「あれ?」と思う不思議空間もありました。
(アニソン歌手・日高美子さま)


生で聴くバイオリンの音が凄くかっこよかったです!
「いつからか音楽は競争になってしまった」
という言葉に、本当になんでだろうと思ったり、ミニマリズムで作る音楽や
とっても色々と学ばせて頂きました!
(ギタリスト・Rayさま)


ここニ年ほどで現代作品を好んで聴くようになったんですが、以前は「うるさい!意味がわからない!」って思ってた。
ヴァイオリンの弾き方は面白いし難しいと思う、でもいいなぁ!
(学生)


印象に残ったのは伊藤慶佑さんの作品。甲斐さんよりさらに抽象性がUPしていますが、ご自身の解説とトークのおかげで目指すところが明らかになりました。
響きが美しい!
(来場者)



次回があるなら、1曲、「図形楽譜」ってやつを演奏してみて欲しい。興味湧いてきた。
(来場者)

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ご来場いただきました30名の皆さまと、開催にあたり多大なるご助力をいただきました方々にお礼申し上げます。


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出演:
伊藤慶佑(作品提供・ピアノ) Keisuke ITOH, Piano and composing a new work
田久保友妃(ヴァイオリン) Yuki TAKUBO, Violin
谷口かんな(マリンバ:賛助出演) Kan'na TANIGUCHI, Marimba
竹内直(音楽学者:解説) Nao TAKEUCHI, MC
松井紫朗(彫刻家:聞き手) Shiroh MATSUI, panelist


プログラム:Program
【Aパート】16:00〜
池内友次郎:Tomojiroh IKENOUCHI:
《小奏鳴曲 第2番》(1956)Sonatine No. 2
高橋悠治:Yuji TAKAHASHI:
《慈善病院の白い病室で私が》(1989)"Als ich im Weißem Krankenzimmer der Charité"
中村典子:Noriko NAKAMURA:
《Water Bird》(2022)

〜休憩〜

【フリーディスカッション】Panel discuttion

【Bパート】18:00〜
尾崎宗吉:Sohkichi OZAKI:
《奏鳴曲 第3番》(1939)Sonata No. 3
甲斐説宗:Sesshu KAI:
《ヴァイオリンとピアノのための音楽 II》(1978)"Music for Violin and Piano II"
伊藤慶佑:Keisuke ITOH:
《夢明草 II》(2024)a new work



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